疑問・気になってしょうがないこと

八十八夜の意味と茶摘みとの関係は?2019年はいつ?

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「夏も近づく八十八夜♪」という懐かしい歌を一度は聞いたことがあると思います。

夏に向けて心の弾む様子を、明るい曲調がよく表していますね。管理人は小学校の全校集会の月の歌などで歌っていたのを覚えています。

八十八夜

しかし、何となく歌っていた「八十八夜」「あかねだすき」「菅の笠」という歌詞、改めて考えてみると、その意味を今もって説明できないまま過ごしてきました。

そこで今回は、「八十八夜にまつわる意味や言い伝え」「2018年はいつになるのか」「八十八夜を使った言葉や俳句と歌」などを調べてみました。

有名な「茶摘」の歌には、実は知られざる秘密があったんですね。

さらに「八十八夜に関係の深いお茶に関する話題」も取り上げました。この機会に、皆さんもぜひ日本の美しい「季節の言葉」を再認識・確認してみましょう!

八十八夜の意味とは?

「八十八夜」という言葉を耳にしたことはあっても、その意味をうまく誰かに説明できないかもしれません。わかりやすく解説をしたので参考になさってください。

八十八夜の読み方

はちじゅうはちや

八十八夜の意味!農事の吉日とは?

八十八夜とは、日本独自の暦の「雑節(ざっせつ)」の1つです。雑節とは、節句や節気以外に細かく季節の移り変わりの目安とした日のことで、節分や彼岸もこの雑節に含まれる言葉になります。

八十八夜は、二十四節気(にじゅうしせっき)の立春(りっしゅん)から数えて88日目を指します。また、「八」と「十」と「八」を組み合わせると「米」の漢字になることから、「農事の吉日」とも呼ばれています。

春が徐々に移り変わって夏の準備(種まきの目安)を行う、縁起の良い日ということですね。

2019年の八十八夜はいつ?

では、実際に今年2019年の八十八夜はいつになるのでしょうか。

2019年の立春である2月4日から数えて88日目は、5月2日(木)になります。ちょうどゴールデンウイークが始まる頃ですね。

農家の人々にとっては、この時期に発生しやすい遅霜に注意して、被害が出ないよう対策をする頃でもあります。特にお茶は、霜に当ててはいけない品種の1つです。

なぜ八十八「夜」なの?満月との関わりとは?

ところで、なぜ八十八夜には「夜」という漢字が付いているのでしょうか。

一説では、かつて利用していた「太陰暦」で、月齢から日にちを計算していたためと言われています。細い三日月である新月を月の頭の1日として数えると、満月は15日か16日になります。

立春の日から月の満ち欠けが3回巡ると、八十八夜が来ます。立春が満月の時は、八十八夜もほぼ満月に近い状態になります。

八十八夜の満月
八十八夜の満月

八十八夜にまつわる言葉

「八十八夜」は、文字の形や響きが美しい単語ですね。ここでは八十八夜という言葉が使われているものを紹介しましょう。

「八十八夜の別れ霜」

農家の人々にとって、収穫に影響する気候は大変重要なものです。

「八十八夜の別れ霜」の言葉には2つの解釈があり、「八十八夜の頃は気候が安定してくるが、遅霜に注意するように(毒霜)」という意味と、「八十八夜を最後にしてもう霜の心配はない」という意味があるようです。

「八十八夜の泣き霜(忘れ霜・別れ小霜・霜別れ・名残霜)」という言葉もあることから、農作業をする上で気を抜いてはいけないという教訓も含まれると推測されます。

このように昔の人は季節の節目と日常の生活を深く意識して結びつけていたのですね。

八十八夜は季語としても

皆さんご存知の通り、俳句には季語を入れるのが作法です。八十八夜は5月ですが、季語は「春」になります。

俳人の正岡子規は八十八夜の季語を使って4つの俳句を詠んでいます。

「行脚とめてはなす八十八夜かな」 明治26年作
「出流れの晩茶も八十八夜かな」 明治26年作
「山里に花咲く八十八夜かな」 明治26年作
「霜なくて曇る八十八夜かな」 明治34年作

日本の懐かしい原風景が浮かんで来るようです。

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八十八夜が出てくる歌と歌詞!

「八十八夜」と聞いてすぐ浮かぶのは茶摘みをする歌ですね。
この歌は、明治45年(1912年)3月に発行された「尋常小學唱歌第三学年用(文部省)」に初めて掲載されました。

正確なタイトルは「茶摘」で、送り仮名がありません。当時の原典に沿って紹介しましょう。

「茶摘」

作詞者:不詳
作曲者:不詳

夏も近づく八十八夜、
野にも山にも若葉が茂る。
「あれに見えるは
茶摘ぢやないか、
あかねだすきに菅の笠。」

日和つづきの今日此の頃を、
心のどかに摘みつつ歌ふ。
「摘めよ 摘め摘め
摘まねばならぬ、
摘まにや日本の茶にならぬ。」

「茶摘」の歌詞に隠された秘密と懐かしい手遊び

実は、この歌にはたくさんの秘密があるのですよ。

・歌詞にかぎカッコ「」が付いている部分は、お茶の産地である京都府宇治田原町(かつては山城国綴喜郡宇治田原村)に伝わる茶作唄(摘唄)の「むこうに見えるは茶摘みじゃないか。あかねだすきに菅の笠」を引用したためです。

・「あかねだすき」の「あかね」とはアカネ科の植物で、止血剤として重宝されていました。「たすき」は、輪にした紐を背中側が十文字になるよう肩に掛け、作業の邪魔にならないように着物の袖をたくし上げる方法です。歌詞の「あかねだすき」は、止血剤となる茜をたすきに擦り込み、怪我をしやすい茶摘みの作業に備えた知恵を歌ったものとされています。

・「菅(すげ)の笠」とは、カヤツリグサ科のスゲという植物で作った、頭に乗せるタイプの笠です。冬の間に手作業で時間をかけて作ります。

・歴史的かなづかいの「歌ふ」は、かつて「うとー」と発音していました。

・2番の「日本の茶にならぬ」は元々「田原の茶にならぬ」でした。昔の子供たちは貴重な労働力だったため、歌に教訓が込められているのですね。

また、懐かしい手遊びを思い出す人も多いでしょう。2人が向かい合い歌に合わせながら、同じように手を動かして遊びます。手の動きは茶摘みの様子を再現したと言われていますが、地域によって伝わり方に若干違いがあるようです。

いろんな茶摘み歌があったのですが、親子でできそうな楽しい動画を見つけました。

5月の手遊び「茶摘み」歌詞付 Japanese action songs tea‐picking

NSPの八十八夜

「八十八夜」は歌謡曲にもなっています。
岩手県出身のフォークグループ、NSPが1978年3月に発表した「八十八夜」という曲があります。

昔の恋人を忘れられないまま結婚する女性の心を描いた歌詞が印象的です。

どのような理由で八十八夜を歌詞に使用したのか不明ですが、もしかすると季節の移り変わりと気持ちの変化を重ねて表現しているのかもしれません。

八十八夜とお茶の関係は?

唱歌でも歌われているように、八十八夜とお茶は密接な関係にあります。ここで言うお茶とは「日本茶」「緑茶」を指します。日本人の生活に欠かせないお茶についてお話しましょう。

八十八夜とお茶
宇治茶の郷 和束の茶畑

お茶の産地はどこ?

お茶の木はツバキ科の植物で生育に適した土地があるため、寒冷地では栽培されていません。

「日本三大銘茶」と言えば京都の「宇治茶」、静岡の「静岡茶」、埼玉の「狭山茶」です。その他にも鹿児島の「知覧茶」や福岡の「八女(やめ)茶」などが有名です。

お茶は中国やインドなどの大陸から伝わったとされ、平安時代には最初の栽培が行われており、鎌倉時代には抹茶としての飲み方が広まりました。

八十八夜の摘み方は?

八十八夜の頃に摘まれるお茶は「一番茶」と呼ばれ、玉露などの高級茶や新茶として流通します。

一番茶は、これから新芽になる「芯」の部分と、その下に付いている上から2枚の葉を合わせた「一芯二葉(いっしんによう)」と言う方法でていねいに摘み取られます。渋みである「カテキン」が少ないため、甘い味が楽しめます。

八十八夜のお茶で長生き

八十八夜に摘まれた葉は、量が少なく貴重なことから不老長寿の縁起物のお茶として現在も大切にされています。

この時期に摘まれる茶葉には、冬の間の栄養が凝縮され香りや旨みがたっぷりと含まれています。健康に良いと言われるアミノ酸の一種「テアニン」の栄養価が高いことが特徴です。

5月2日は緑茶の日

1990年に、公益社団法人日本茶業中央会が5月2日を「緑茶の日」と定めました。
閏年の場合は、5月1日になります。全国各地でイベントも行われているようです。

また、4月29日~5月5日は「緑茶の週間」とも言わるそうですよ。この時期にはゆっくりと美味しい新茶をいただきたいですね。

他にも、10月31日は日本茶の日2月6日は抹茶の日、また静岡県では11月1日をお茶の日に設定しています。さらに玄米茶や紅茶の日、中国茶の日などもあります。

縁起の良い言い伝え

お茶にまつわる縁起のよい言い伝えがいくつかあるのをご存知でしょうか。

古くから、お茶を入れた時に湯飲みの中で茶柱が縦に立つと良いことが起きると言われています。

必ず茶柱が立つお茶というのも販売されています。また、諺の「朝茶は七里帰っても飲め」は、朝にお茶を飲むと1日の厄難を祓ってくれるというものです。

さらに、「入梅の雨で煎じたお茶は邪気を払う」という言い伝えもあり、無病息災を願うためにお茶は欠かせないものであることがわかります。

結納にも使われる

結納を重んじる九州地方では、結納品のことを「結納茶」と呼び、おめでたい品と併せてお茶を贈る風習があります。

お茶の木は土にしっかり根付くことから嫁入りにふさわしいとされ、「御知家」と書いて「おちゃ」と読む結納用の品がお茶屋さんでも販売されているようです。

きれいな容器の中には意外にもお手頃な番茶が入っており、「一度しか出ない」イコール「お嫁に一度しか行かない」という意味が込められているそうです。

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おわりに

八十八夜について様々な話題をお伝えしましたがいかがでしたか。

八十八夜の意味がわかると、夜空を眺めてみたくなったり、お茶畑の様子を想像したりと世界が広がりますね。

また、「茶摘」の歌とその秘密、お茶にまつわる話も大変興味深いものでした。八十八夜に摘まれたお茶も、ぜひ一度は味わいたいものですね。

日本の文化には、まだまだ知らないことがたくさんあります。季節の移り変わりに合わせて、ご家族で色々な歴史を紐解いてみるのも楽しいですよ。

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