山の中でデザイン会社「図画工作」を営んでいます。 

現代はネットで情報やデータが行き交う時代です。

山の中でもクライアントの要望に応え、オリジナルのコンテンツを制作し、世界と通信ができてしまいます。

チラシ、ポスターのデザインを始め、ロゴマーク、ロゴタイプなども手がけております。
クライアントの要望と今の流行、話題などをからめ、オリジナルのデザイン作成を目指しています。

著作権とオリジナルのデザイン

今問題になっている著作権について一言。デザインができあがるまでには産みの苦しみがあり、全く真っ新な状態から形や色を考え出して行かないといけないですが、どんなに壁にぶち当たっても、イメージが沸かなくても、意図的に人様のものをトレースしたり、真似したりということはものを作るクリエイターとして考えられません。

というか、それができなければ、デザイナーを職業に選ぶ理由がありません。

人の真似をしてはいけないのか?

かと言って自分の作るもの全てが「完全無二のオリジナルの作品」かというと、そうとも言い切れません。

人は過去の情報を知らず知らず見たり、聞いたりしてお気に入りの色や形を記憶のどこかに留めて置きます。その記憶の引き出しとそのデザイナーの幼少からの体験やこだわり、考え方により、作品にバリエーションが出てくるのだと思うのです。

これを盗用とか、パクリとか言えば、デザイナーはテレビも新聞も雑誌も見れなくなります。

自分のフィルター

今回の佐野氏の問題は明らかに著作権の侵害を堂々と行っているデザインがいくつかあったことが致命的でした。

エンブレムはアルファベットなのでひょっとすると佐野氏の頭の中から生まれたものかも知れません。

展覧会のポスターをたまたま見て、「いいロゴマークだな」と感じ今回の五輪に使えるかも知れないと考えたのかも知れません。
でも、同じTの文字は使ってはいけないでしょう。

色と形を研究している人にとって安直すぎる思考だと思います。

佐野氏のフィルターが全然かかってないから、疑われるのであって、自分の作ったロゴタイプ集の実績や研究があればそれを覆すことはできたと思います。

オリジナルデザインのまとめ 

私たちは先代が築き上げた文化や伝統をその時代に合わせて継承して行かなければなりません。

誰もが過去の作品に影響され、感化されていきます。

自分というフィルターを通して全く新しいもの作り直すことは「オリジナル」と言えるのではないでしょうか。
歌や文学、絵画、彫刻などの著作権も同じだと思います。

でないと、後から生まれた人はもの創ることがどんどん不利になってしまいますよね。