あなたは今の睡眠に満足していますか?
私たちの健康的な生活や仕事のパフォーマンスを左右する「睡眠」ですが、あなたは満足していますか?
最近「自覚のない睡眠不足」が徐々に蓄積されていく「睡眠負債」なるものが体や心の健康に及ぼす影響が大きいと問題になっています。
もしかしたら、普段の生活のどこかに睡眠の質を低下させている原因が眠っているかもしれません。
一日のスタートを気持ちよく切るために睡眠のメカニズムを一から見直してみようと思われる方はこの記事を参考にしていただければと思います。
誰もが「気持ちよく眠りに入り、朝スッキリと目覚める!」という理想的な生活を送っていきたいと願っていますよね。
しかし、実際は様々な誘惑や諸々の事情で満足に睡眠時間が取れない人が多いのではないでしょうか。
睡眠は時間だけでなく、質も大切になってきます。ではどのようにすれば質の高い睡眠を得ることができるのでしょうか?
今回は、まず「睡眠のメカニズム」を理解し、「年齢別に見る理想の睡眠時間」そして「自分にとって本当に必要な睡眠時間の結論」に迫ります。
赤ちゃんから、幼児、小中高校生、大学生、成人と年代あるいは個人により理想の睡眠時間は異なってきます。
最高のパフォーマンスを発揮するには質の良い「睡眠」が必要不可欠になります。それぞれの年齢に応じて見ていきましょう。
「心地よい睡眠を得るためのポイント」も最後に紹介しますので、この記事を参考に快適な眠りを得られるよう、工夫してみましょう。
睡眠時間の仕組みを知ろう!
レム睡眠やノンレム睡眠という言葉を聞いたことがあるでしょう。
「レム」とは「目が動いている」という意味で、夢を見ている「レム催眠中」はまぶたの下で眼球が動いているそうです。
反対に夢を見ない睡眠のことを「ノンレム睡眠」と言い、睡眠中の体はこの二つの睡眠が交互に訪れます。
初めはだんだんと深い眠りに落ちて行き、大脳が休まるノンレム睡眠に入ります。
入眠後の約3時間までが一番深い睡眠と言われます。
その間、1時間半の周期で浅い眠りのレム睡眠が現れます。
明け方に近づくとベースは浅めのノンレム睡眠に変わり、周期的に現れるレム睡眠の時間が増え、朝の目覚めへと繋がります。
朝方、グラフの波が一番上にある「レム睡眠」の時に起きるのが理想の寝起きになります。
レム睡眠の周期は人にも個人差がありますが、およそ90分くらいになります。
また、最近の定説では睡眠のゴールデンタイムというのが周期的に瞬間的にやってくるそうで、(一説によると寝返りを打つ時?)
この時に起きるとすっきりした目覚めになるといいます。
そういえば、昔は朝の小鳥のさえずりやにわとりの鳴き声で気持よく起きていたような気もしますね。
理想の睡眠時間を年齢別で見てみよう!
理想と言われる睡眠時間は、年齢によって異なります。
睡眠は個人差があり、あくまでも理想ですので参考までにご覧くださいね。
赤ちゃんの理想の睡眠時間
赤ちゃんの睡眠時間は月齢によって異なります。
新生児は約16~18時間、その後は徐々に減っていき、6ヶ月~12ヶ月では約11~13時間と言われます。
しかしそれぞれの赤ちゃんで異なるため、実際はこの通りにならないので安心してください。
体内時計が整うまでには、昼夜逆転の時期もあります。特に夜鳴きなどで睡眠を妨げられる苛立ちは、時に夫婦間のトラブルにも発展しかねません。
管理人は共稼ぎでしたので、妻が寝ている間は交代で夜中に抱っこをしてあやしていました。
ある程度月齢の過ぎた赤ちゃんは、昼間に明るい場所でよく遊ばせて、夜はゆっくり入浴して静かな部屋で寝かせる、という基本的な習慣ををおすすめします。
赤ちゃんの子守は本当に大変ですが、後で思い起こせば、ほんの一瞬の出来事なのですよ。
世のお父さん方も「イクメン」に興味を持ってもらい、大切な赤ちゃんを夫婦一緒に協力しながら育ててはいかがでしょうか?
子供の理想の睡眠時間
10代の前半までは、8時間くらいの睡眠が理想と言われています。
小さいお子さんは保育園などでお昼寝の時間があったり、帰宅後に昼寝をすることがありますが、あまり長く寝てしまうと夜の寝つきが悪くなります。
昼寝をしないよう夕方にお風呂に入り、夜は早めに就寝させるなどの工夫をしている家庭もあります。
また、寝室までおもちゃを持ち込み、なかなか寝ない幼児もいるようですね。
この場合は、子どもに合わせて寝るのを待つのではなく、親が一緒にくつろぎながら、抱っこして歌を歌うなどの入眠の儀式を行うことが必要です。
絵本などの読み聞かせもよいのですが、反対に興奮して見入ってしまい寝つけなくなる場合もあります。我が家の場合は、妻がよく嘘物語を即興で作っていましたよ。
さらに、小学生になると塾や習い事、親の都合、深夜のテレビやゲームなどで夜更かしが増え、起床が辛いというケースが近年増加しています。
朝起きられないと朝食を満足に食べられなくなり、集中力が途切れたり、授業中に眠くなるなど、悪循環に陥ります。
何もない日は早めに布団に入るようにし、成長のためにも睡眠時間を確保してあげてくださいね。
学生の理想の睡眠時間
中学生や高校生の理想の睡眠時間は7~8時間と言われます。
しかし実際には夜更かしをすることが多くなり、睡眠時間は6時間ほどという報告もあります。
学生の半分は睡眠不足の自覚があるというデータも出ています。
寝るのが遅くなってしまう原因となるスマホを自室に持ち込まない、使用時間を決める、ゲームの曜日や時間帯を設定するなど家族内のルールを設けるとよいですね。
一方で休日の睡眠時間は、寝不足解消のために平日より2~3時間長くなる傾向にあります。
その結果、体内のリズムが狂い平日の起床がますます辛くなる悪循環が起きてしまいます。
休日も平日と同様に起きて軽く午睡をするか、平日の睡眠時間を見直すなどして体調を整えておきましょう。
成人の理想の睡眠時間
様々な説がありますが、レム睡眠の周期である1時間半の倍数、6時間や7時間半が理想と言われます。
睡眠不足の日が続くと、疲れが溜まって体の抵抗力が弱り、病気のリスクが高まります。
また、ストレスや悩み事が原因で眠れない場合は、布団に入る1時間前くらいに入浴を済ませ、寝る前に軽いストレッチで体をほぐしてみましょう。
リラックスできるノンカフェインのハーブティーやホットミルクもおすすめですが、量が多いとトイレに起きる回数が増えてしまいますので1杯を限度に試してみてください。
つまみを食べながらの深酒は、眠りが浅くなるので控えたほうがよいでしょう。
なお、睡眠中に「成長ホルモン」が最も分泌される時間は、入眠後3時間の間と言われます。
睡眠不足の翌日はお化粧のノリが悪く感じられませんか?成長ホルモンは肌の組織を活性化させ、ハリや弾力、潤いをもたらします。
美肌や体調を保つためにもゆっくりと休むようにしてくださいね。
高齢者の理想の睡眠時間
65歳以上になると、若い頃より睡眠時間が1時間ほど減り、6時間くらいが平均的です。
睡眠に導くホルモン「メラトニン」の元である、神経伝達物質「セロトニン」の分泌が減ることが原因です。
9時台に就寝すると、3時台に目が覚めてしまうこともあります。反対に、早くから布団に入ってもなかなか眠れない人は、ある程度眠気を感じてから床に付くようにしましょう。
高齢者の不眠は、まれに無呼吸症候群などの病気が関連していることもあるので、一度検査をしておくと安心です。
人によって必要な睡眠時間は違う?
理想の睡眠時間を説明してきましたが、実際には各々で必要な時間は異なります。平均は6時間~8時間ほどで、多くの人はこの範囲で睡眠時間を確保しています。
短くてもOKな人
睡眠時間がおよそ6時間以下でも大丈夫な人を「ショートスリーパー」と呼びます。
体内時計をコントロールする遺伝子が関わると言われています。
歴史上の人物ではナポレオンやエジソンがショートスリーパーだったという説があります。
ただし、仕事などが忙しくて睡眠時間が取れない人は当てはまりません。
長い方が良い人
睡眠時間が約9時間以上必要な人を「ロングスリーパー」と言います。
睡眠時間が長すぎると、遅刻をしたり仕事が滞ったりと社会生活を送る上で問題も出てきます。
中には病気との関連もあるため、常に眠気を感じる場合は一度検査をしてみましょう。
「分割睡眠」という睡眠を分割する方法もあります
最近では「分割睡眠」をする人も多いようです。1日の中でまとまった睡眠を分けて取る方法です。
例えば合計6時間になるように、3時間+3時間や、1.5時間+4.5時間などに分けて眠ります。
ある有名人は「成長ホルモン」が出るとされる22時から深夜2時に1回、それから仕事をして、朝方に数時間寝るという「分割睡眠」を取る方もいらっしゃいます。
ただし、これは体に合わない場合もあるので、試して調子が悪くなるような場合はやめましょう。
真の理想の睡眠時間とは?
ここまで睡眠時間について色々と説明してきましたが、「結局は何時間の睡眠が一番良いの?」という疑問が湧いてきますね。
ここで結論をお話しましょう。先にお話した通り、理想の睡眠時間は個人で異なります。
したがって、「朝スッキリと目覚め、日中の眠気がない状態」になるよう、「6~9時間」の中で自分に合った睡眠時間を見つける、ということが結論になります。
眠りが浅い「レム睡眠」の時に起きれば、スッキリした目覚めになります。
逆に「レム睡眠」以外で起きてしまうと、頭がぼーっとして眠気が残ってしまいます。
この「スッキリ感」の度合いを記録しておくと自分のレム催眠の周期が把握できると思います。
休日などに起床予定時間から逆算し、就寝してみてはいかがでしょうか。自分に合う睡眠時間が見つかると、その後の生活も変わってくるかもしれません。
睡眠時間が足りないと思う日は、30分以内の昼寝で補うことをおすすめします。
理想の睡眠時間を確保するための方法!
最後に、気持ちよく眠って朝スッキリ目覚めるためのポイントを紹介しましょう。
太陽光を浴びてセロトニンを生成
先にもご紹介しましたが、眠りを導くホルモン「睡眠ホルモン=メラトニン」を生成するためには、「セロトニン」の分泌が必要になります。
朝に太陽の光を10分~30分くらい浴びると、体内にセロトニンが増えることがわかっています。朝日を浴びると体内時計がリセットされ、およそ14~16時間後に眠くなるように調節されます。
メラトニンの分泌と共に眠くなります。
副腎皮質ホルモンが増えると脳内神経にセロトニンを行き渡らせます。
スマホアプリの利用
近年ではスマホのアプリが様々に開発されています。
朝にスッキリと目覚めるためのアプリは、眠りが浅くなったレム睡眠のタイミングを見計らってアラームが鳴るというものです。
睡眠用のアプリは各種あるので、自分に合ったものを探してみましょう。
寝る直前のNG行動
寝る直前の熱いお風呂や激しい運動は、体が温まりすぎて寝付けなくなるのでおすすめできません。
テレビやパソコン、スマホの光も脳を興奮させる原因になります。
また、食後の体は消化が必要なため、夕食は寝る数時間前に済ませましょう。
さらに、寝酒はすぐに眠ることができますが、途中で目覚める回数が増え、全体で見ると睡眠の質が悪くなってしまいます。
おわりに
以上、今日は子供から成人まで年齢別の理想の睡眠時間についてお話してきました。
睡眠のリズムや一般的に言われる理想の睡眠時間、そして自分に合う本当の睡眠時間もご理解いただけたでしょうか。
睡眠不足は糖分や脂質の摂取量が増加し、過食や肥満になりやすいという研究報告もあるみたいです。
忙しい生活の中でも、早く休める日は休息を取ることをおすすめします。その場合「体内時計」が狂わないように寝過ぎには注意をしてください。
いずれにしても良質な睡眠が健康や日々のコンディション・モチベーションにも深く関わってきます。
快適な睡眠を得るためには、規則正しい生活習慣を送り、リラックスして眠る体制を作ることが大切です。
寝具(枕やマット)をそろえるのも効果が期待できそうです。
「朝スッキリと目覚め、日中の眠気がない」生活を送れるよう、自分に合った理想の睡眠時間が見つかるといいですね。