三椏(ミツマタ)の育て方と起源:二股よりも多いのに永遠の愛?
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4月可憐な黄色い花がほこる三椏。我が家の庭には10数年前から三椏(ミツマタ)を増やし続けています。

和紙づくりの研究をするために、知人から貰い受けたのが始まりですが、その繁殖は失敗の連続でしたが、ここ数年でようやく目からウロコの繁殖の手立てが見つかりました。

s-三椏の花2

ミツマタは鑑賞用の他に、和紙作りの原料として、寒さの一番厳しい1月、2月に大きく育った枝を切ります。この時期が寒さから木を守ろうとして、一番繊維の層が厚くなり、歩留まり(取れ高)がいい時期ということになります。

今日は和紙の原料と鑑賞用の二通りに使われ、我が家に縁起をもたらす 「三椏:みつまた」の起源、花、育て方についてまとめてみました。

三椏(ミツマタ)とは

ミツマタ(三椏)は、冬になれば葉を落とす落葉性の低木であり、ジンチョウゲ科のミツマタ属に属する。
中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地とされる。3月から4月ごろにかけて、三つ叉(また)に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる。
中国語では「結香」(ジエシアン)と称している。

ウィキペディアより抜粋

オレンジ色から朱色の花の赤花三椏(あかばなみつまた)もあり、こちらも華やかです。

ミツマタの英語表記は「Oriental paperbush」オリエンタル ペーパーブッシュ。意味はそのまんまですね「東洋の紙の低木」。中国・ヒマラヤが原産地だということです。

ミツマタ(三椏)の起源

由来は一般的には幾重にも分かれている枝が必ず三つに枝分かれしている枝の形態から三つ叉⇒三椏になったと言われていますが、遠い昔のころには、ミツマタではなく、「サキクサ」と呼ばれていたらしいのです。

ミツマタの花があたかも春を告げるかのように、他の植物より一足先に淡い黄色の花を一斉に咲かせる「先草=サキクサ」だったからのようです。

もう一つの説は、ミツマタが縁起の良い「吉兆の草」とされていたため「幸草(サキクサ)」と呼ばれたのだとも言われいます。

万葉歌人の柿本人麻呂の和歌(ヤマトうた)に、
「春されば まず三枝(さきくさ)の 幸(さき)くあれば 後にも逢む な恋ひそ吾妹(『万葉集』10巻-1895)
(春になればまず先に咲く「サキ」クサのように「幸〔さき〕」く〔つつが無く〕あることが出来たならば、のちにまた会いましょう。恋しがらないでください、わが愛しい人よ)と詠まれている。

ミツマタの花言葉

ミツマタの花言葉には
「強靱」「意外な思い」「壮健」「永遠の愛」「肉親の絆」(花言葉辞典より)

日本放送協会(NHK)のラジオ番組・「ラジオ深夜便」では、日本の季節に合わせて このミツマタの花を2月21日の「誕生日の花」とし、その花言葉を「壮健」としている。

日本放送協会より抜粋

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ミツマタ紙の歴史

  • 紙の原料として表れる最初の文献は、徳川家康がまだ将軍になる前に、伊豆修善寺の製紙工の文左右衛門にミツマタの使用を許可した黒印状(公文書)である。(当時は公用の紙を漉くための原料植物の伐採は、禁じていた)   
  • 江戸時代、品質・強度を高めるために楮(コウゾ)と混合した製法が用いられる。
       
  • 明治になって、政府はガンピを使い紙幣を作ることを試みたが、ガンピの栽培が困難であるため、栽培が容易なミツマタを原料として研究し、日本の紙幣に使用されるようになっている。   
  • それ以来今日まで、ミツマタを原料とした日本の紙幣は、その優秀性を世界に誇っている。
       

 

星にもなっているミツマタ!?

なんと「ミツマタ」という小惑星があったんですね。発見した人の名前でなく、「ミツマタ」を付けるところが憎いっ!

ミツマタ (小惑星):小惑星番号16731番の小惑星。発見した佐治天文台のある佐治村(現在の鳥取市)名物の手すき和紙・因州和紙がミツマタを原料とすることにちなみ命名された。

ウィキペディアより抜粋

三椏(ミツマタ)の育て方

失敗の連続

苗からもらってきたミツマタですが、当初五年くらい挿し木を試みました。剪定ハサミで切った枝の葉っぱをハサミで半分ほど切り落とし、水に数時間吸わせてから、カッターナイフで斜めに切り、裏の皮を数cmほど薄く削って土に差します。油断をして水をやらないと、すぐに枯れてしまいました。
s-ミツマタ-640

根が一向に生えて来ずに数百本の挿し木が無駄になりました。原因は過保護。隣町の和紙作りの先輩によると、ミツマタの挿し木は一番簡単ということでした。ハサミで直角に切ったら、そのまま土に穴を開けて差し込むだけ。梅雨時期に行うと見事根が出て成功しました。

種からの栽培

四月のはじめ、黄色い花が終わると一つのガクにラグビーボールのような形の種が10個くらいできます。落ちる寸前に手でちぎって最初の年はそのまま植えましたが、全然芽が出てきませんでした。

ネットで調べてみると、ありました種から増やす法方。なんと一旦水の中で外側の緑の部分を腐らせます。二週間くらいすると、鼻が折れそうな独特な匂いで腐ります。

黒い種の水に沈んだものだけを取り出し、砂と混ぜて、シュロの皮に包み、一年間土の中に眠らせます。これも2回くらいしてからようやく芽が出てきました。

三椏種

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おわりに

知人から譲ってもらった2本の三椏の苗が今では100本近い株に育ちました。山や道端に植えたりして、幸せの黄色い花を咲かせる鑑賞用と紙の原料となっています。

ある程度大きくなった枝は刈り取り、蒸して皮を剥ぎ、紙漉きの材料として乾燥させておきます。主に紙漉き体験に使いますが、将来オブジェなどの美術作品の制作を考えています。

ミツマタの原料から作る紙漉きは、工程が一杯ある上に、難儀な作業が多くとても大変です。でも、先人がこの作業を淡々と繰り返し続けてきたおかげで、1000年もの前の歴史的重要な文献が残っているのです。

原料のミツマタをもとに紙漉き作業を体験することにより、今の子供たちにも知恵と苦労を体感させることができれば、この10年来の地道な研究も報われるような気がします。

紙漉き2

※紙漉きの工程は当ブログのこちらにまとめていますので、興味のある方はどうぞご覧下さい。
手すき和紙の作り方 天然三椏から作ってみた!