NHKニュースを見ていたら、パキスタンのファッションショーにきらびやかな衣装を身にまとうモデルさんが登場。
今話題になっているのは、きれいなモデルさんではなく、その胸元や耳に飾っている「希望のビーズ」と呼ばれるおしゃれなビーズアクセサリーでした。この綺麗なビーズは果たして何からできているのでしょうか?
この美しいアクセサリー、実は材質はリサイクルの印刷物からできた、色鮮やかな紙製ビーズ「ペーパービーズ」でできていたのです。
10年前に起きたパキスタンの大地震で被害を受け、障害を負った女性のために立ち上がったのは一人の日本人女性でした。今日はこの「希望のビーズ」作りにの一役をになった日本人女性と、地震で孤立していまった女性にスポットを当ててみようと思います。
立ち上がった一人の日本人女性
このファッションショーを企画したのは、日本人の高垣絵里さん、世界各地で開発支援をしていた彼女は5年前からパキスタンを拠点を移しました。
高垣さんは学校にも行けずに働かされたり、10代で結婚を強いられたりと、パキスタンの女性の地位のあまりの低さを目の当たりにしました。
貧困の犠牲は女性
それに追い打ちをかけたのが、10年前のパキスタン大地震、障害を負った女性たちは家族からも見放され、社会からも孤立していました。
しかし、最悪の生活の中でもけっして諦めず、自分の手で何かをしたいという気持ちに衝撃を覚えた高垣さんは、障害がある女性たちと共にビーズ作りを始めました。「ペーパーミラクルズ」の設立です。
希望のビーズ作り
ビーズの材料は使い古したカレンダーやチラシです。細く裁断して丸めてビーズにしていきます。チラシの微妙な色合いが独特の風合いを生み出し、人気が出てきました。
その値段はビーズ1個が1~3円、月に1万3,000円(初任給の半分)ほどになるそうです。貧困層の女性200人が作り手となっています。
ものを作ることで得られる創造の喜びと貴重な収入という二重の喜びは障害を持った女性に生きがいと自信をもたらしました。
けっしてあきらめなかった彼女たちの夢は更にパキスタン全土に広がっていくと信じています。
おわりに
高垣さんは今後、ファッションショーを開き、将来的にはアメリカなど海外での販路を拡大したいと、意欲を燃やしています。近い将来ブランドとなるといいですね。
日本では当たり前となっている震災時や災害時の支援サポートですが、貧困な国ではまだまだ人のために何かをする余裕がないのですね。女性や障害者が差別される国では真の経済と教育の発展はありえません。
たった一人の日本人がそれに気づき、実行に移し、成果をもたらしていることは、世界各国の貧困の中にいる人々にとっては希望の光となるでしょう。
日本に住む私たちも知らないといけないし、なにかできることがあるような気がします。中国の観光客が日本で爆買いしますが、この「希望のビーズ」をまず、買ってほしいですね。
そして中国にも貧困層があること知って、物欲ではなく、大陸の未来に目を向けて欲しいものです。