台所用洗剤は手が荒れるので、「ゴム手袋」を使って洗い物をする人が多いかと思いますが、このゴム手袋を使うとじんま疹や喘息発作などの症状が出る場合があることをご存知ですか?

天然ゴムの製品である「ラテックス」によるアレルギー反応を「ラテックスアレルギー」といいます。

パパイヤを食べるとじんましんが出るとか、キウイを食べると耳が痒くなる方、それってラテックスによるアレルギー反応が原因の可能性が高いと思われます。

果物・野菜・穀類といった植物性食品や花粉・薬草に対しても即時型アレルギー反応を起こします。この現象は特に、ラテックス-フルーツ症候群と呼ばれています。

この記事では「ラテックスアレルギー」の原因と症状を考察し、その対策をまとめてみました。

正しい知識を身につけて、お子さんやご家族に万一近い症状がありましたら、早めの対処を行いましょう。

ラテックスアレルギーに対処するためにゴム手袋を使用する際の注意点と代替手段について伝えますが、まず重要なことは、医師に相談することです。
重篤の場合がありますので、専門家のアドバイスを仰ぐことが重要です。

ラテックスアレルギー対策のアイデア

ラテックスフリーの手袋の選択

ラテックスアレルギー対応の手袋は、代替として使われます。
新素材天然ゴム脱タンパク質「セラテックス」などがあります。

ハンドクリームの使用

手袋を使用することに続き保湿剤を使用すると、皮膚のバリアが強化され、アレルギー反応のリスクを軽減することができます。

正しい手袋の使用法

手袋のサイズを正しく選び、指の先が残らないようにしてください。
残った部分があったり、摩擦を起こしたりすることで、皮膚が刺激を受ける可能性があります。

ゴム手袋の代替手段

ゴム手袋の代わりに使える素材として、綿製、布製、またはレザー製の手袋を検討してみてください。

アレルギーの症状に注意

もしゴム手袋を使用した後に多少のアレルギー症状(かゆみ、発疹、腫れなど)が現れた場合は、使用を中止し、医師に相談してください。

ラテックスは手袋だけでなく、風船や消しゴム、医療機器などにも使用されていることがあります。 

ラテックスアレルギーは重篤な症状を考慮する可能性があるため、特に医療現場での使用など、ラテックス手袋を頻繁に使用する場合は、アレルギー対策をしっかりと行うことが大切です。専門家の指導を仰ぎながら対策を行ってください。

ラテックス・アレルギーの症状とは?

ラテックス・アレルギーの症状は、ゴム手袋をはめた部分に、じん麻疹が出てくるパターンが一番多く、掻痒、発赤、膨疹、水疱などができます。ひどい場合は全身に広がることもあります。

ごくまれにアナフィラキシーショックになり、最悪の場合死亡するというケースもありますので、あなどれない病気です。

天然なのにどうしてアレルギーがおきるの?

天然ゴムはゴムの木の樹皮を傷つけ採取した樹液が原料ですが、植物も傷つけられると自己防衛のために、防御タンパク質を過剰に分泌し、このタンパク質が皮膚と接触、抗体反応がおこります。

特にゴム同士を分離させるため手袋にまぶしている白い粉が皮膚の表面の組織に傷をつけ、そこから吸収されるみたいです。パウダーなしのゴム製品や肌にやさしい新素材脱タンパク質天然ゴムも開発、製品化されています。まだまだ少ないのでしょうが、、。

どんなゴム製品でアレルギーがおきるの?

ゴム手袋、カテーテル、絆創膏などの医療用品から、炊事用・農作業用手袋、ゴム風船、コンドームなどの天然ゴム製品を使用する際にかかります。

医療関係者、看護師など、院内感染を防ぐためのゴム手袋が逆に、アレルギーを引き起こしているようです。

最近では脱タンパク質のゴム製品も 開発されているようなので、ゴム製品でのアレルギーでお悩みの方々の強い味方になるのではないでしょうか?

住友ゴム工業が、タンパク質を独自の製法で分解除去した新素材天然ゴム脱タンパク質の「セラテックス」を開発しています。すでに製品となっているものがあると思います。検索などして試してみてください。

どんな人がラテックス・アレルギーにかかりやすい?

  • 医療従事者
  • ゴムによる医療処置を受けている患者さん
  • 食物アレルギー患者(アボガド、バナナ、栗、キウイなど)
  • ゴム製造業者さん
  • コンドーム使用時に男女のどちらか

日本のラテックスアレルギー発症率は欧米と比べると少ないようですが、それでも3.8%が感作されていると報告されているそうです。米国ではアナフィラキシーショックによる死亡も報告されており、日本でも今後ないとは限りません。

おわりに

今のところ、ラテックスアレルギーの治療の特効薬はまだないそうです。

できるだけ症状の軽いうちにアレルギーの病気だと気づき、ゴム製品を近くに寄せないようにするか、脱タンパク質のゴム製品を使用するかのどちらかが対処方法になります。

フルーツや穀物など、少しでもアレルギー反応を感じたら、皮膚科かアレルギー科を受診して、皮膚テストを受けましょう。

自分のお子さんや、近くの方で以上のような症状を見かけたり、聞いたりした時には、すみやかに「ラテックスアレルギー」を疑ってください。気づくのが遅くなれば症状も重くなります。

世の中が便利になれば何か副作用が出てきます。身につけるもの、食べ物、日用品など常にリスクを考え、体に対していいものかを考えながら、購入・使用していきましょう。