和紙 作り方
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庭に植えている「三椏」を使って手漉きの紙ができないものかと、かれこれ10年以上試行錯誤しています。 

今回は牛乳パックなどのパルプや再生紙ではなく、自宅や野山に自生する楮・三椏の木を使って「原材料の作り方から、漉き方、干し方など本格的な手漉き和紙の作り方の工程」をまとめてみました。

お子様の自由研究自然体験などの教材として参考にしていただき、親子で和紙の持つ魅力を感じていただければ幸いです。

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我が家の庭に植えている三椏

和紙作りの材料と道具

和紙の原料

和紙の原料は、障子紙、便箋、封筒などになる「楮」(こうぞ)、お札などに使われる「三椏」(みつまた) 、謄写版原紙、あぶらとり紙などの「雁皮」(がんぴ)などの種類があります。

楮、三椏が皮の肉厚があり、上質な紙ができます。 ネット通販もあります。繊維があれば何でもできますので、藁や玉ねぎの皮など試してみるのいいでしょう。

植物には繊維があるので、三椏・楮以外でも面白い紙ができると思います。
野菜の切れ端から作る色とりどりの和紙が超ヒットしているのをテレビで見ました。いろいろ応用してお子さんの自由研究に是非!

和紙づくりの材料

材料:みつまた、楮などの木の皮の繊維水、トロロアオイ(攪拌用)

水、ネリ材:トロロアオイやノリウツギの根っこ(ネット販売もしています) 

和紙づくりの道具:市販・手作り

紙漉き 道具

道具:繊維と水を入れるオケ。貼り付ける板(ベニア)、ペンキ用ローラー(水を抜くため) などです。

写真の道具は4万~5万円 少々高価です。

  紙漉き 道具

こちらは手づくりの道具です。100円ショップ・ホームセンターで調達しました。

紙漉きセット

はがきづくりセット ネットで6、7百円で売っています。 

和紙づくりの工程

皮をはぐ作業

みつまたの皮をはぎます。伐採したての三椏が剥がしやすいです。
ドラム缶などで煮るか、蒸すとはがしやすくなります。

三椏の皮

白皮

表面の黒皮(表面の皮)はコテ・食用ナイフなどで落して白い皮にします。 皮を剥いた木は焚きつけになります。

川晒し(川ざらし):(省略も可)

川の中に袋に入れた白皮を流されないように石で押さえながら、水と日光で自然に白く晒します。 
自然の風合いを残すのであれば、この作業はいりません。

川晒し  

煮て繊維を柔らかくする

煮熟

大きな釜に水、白皮と水酸化ナトリウムを入れ、繊維がクタクタになるまで煮ます。
やわらかくなるまで(3時間程度)。

塵取り(ちりとり)

煮てやわらかくした白皮に残っているごみや黒ずみ・きずを取り除きます。

当工房では真っ白な和紙より、逆にうずらの卵みたいな点々の柄にするために少量の黒皮をわざと残し、混ぜ込みます。 

叩いて繊維をほぐす作業

ちりとりをした白皮を木槌(角材で代用)で叩いて繊維を広げほぐします。
同じとろこを何度も叩くより、混ぜ合わせながら全体を叩いていくといいでしょう。

ポイントはある程度水を含ませないとほぐれません。水が多いと服に飛び散ります。
ほぐれたかどうかは水に入れるとわかります。この作業を繰り返します。

いよいよ紙を漉く

すべての材料がそろい、ようやく手すきで紙を作る工程になります。
細かくほぐした紙料(しりょう)と水、ノリウツギの根のネリ材(紙料を水中で均等に分散させる働きがある)をよく混ぜ合わせて簀桁(すげた)で一枚一枚すき上げます。

植物のトロロアオイをネリ材で使うところもあります。なかなか材料がないので、薬品で代用しています。

ちなみにネリ材はなくても紙は漉けます。笑

紙漉き 

親指が中に入らないように木枠を持って、(直角ぎみに立てて)材料を一気にかき込みます。

木枠の中で均一になるよう繊維を揺らして絡ませます。

目的の厚みになるまで、これを繰り返します。

水に対して繊維が濃い材料を1回で漉き込むより、薄い材料を2、3度漉き込むときれいな和紙ができるでしょう。

紙漉き2 

木枠ごと斜めにすると早く水が落ちていきます。

水を含んでいると重みでしわが寄ったりするので、水が十分に落ちてから簾桁(すげた)を持ち上げます。

圧搾(あっさく)と巻き取り

水気を十分に取ったら、同じ位置に重ねていきます。紙の継ぎ目5mmほどのところに色のカラーひも(ビニール)を細く裂いたのを挟んでいくと紙がはがしやすいです。(継ぎ目がわからなくなるので)

一枚一枚漉き上げた紙を積み重ねたものに重し(ブロックなどの重しを徐々に増やしていきます。
2、3日かけてじっくりと)をして、圧力をかけて水をしぼりだします。 加減が難しいです。

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数日後脱水が程よく終わった後、塩ビパイプを手前に置いて、カラーひもを引き上げると和紙がパイプにくっついてくるので、巻き上げてベニアなどに丁寧に空気を入れないように貼り付けていきます。

乾燥(かんそう)

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ベニア板に重ねていた紙をていねいに刷毛やローラーで密着して張り付け、天日で乾燥させます。

空気を抜くように、シワがよらないように注意します。 この時、刷毛で紙の中心から空気を抜きながら放射状に押さえていきます。

私はペンキ塗りのローラーで代用しています。最初は軽めがポイントです。
板と完全に密着しますので板面は綺麗なフラットな仕上がりになります。

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電気乾燥機を 使うと天候に関係なく乾燥できますが、ないので除湿機でなんとか乾燥できました。

出来上がったいろんな風合いの和紙。中には焼酎かす・杉の皮を入れたものあり。

巨大和紙にも挑戦!

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畳一枚分枠を作り、巨大和紙づくりに挑戦しました。

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大きい簀はないので、網戸でベニアに転写したところです。水を大量に含んでいるので、均一にするのが難しかったです。

材料ミツマタから作る手漉き和紙の作り方のまとめ

材料からの地元の三椏にこだわり、伐採、蒸して、黒皮むき、煮る、叩く、漉く、貼るなどの長い工程を経てようやく手作りの和紙が出来上がりました。 これに絵や筆文字を施して、市の文化祭に出品しようと考えています。

和紙づくりは根気がいる仕事ですが、やればやるだけ次第に極めの細かい丈夫で美しい和紙ができあがってきますので、子供たちに教えながら自分も腕を磨いていこうと思います。

課題となる材料集めに骨が折れる仕事ですが、PTA活動や家庭教育学級など親子で作業ができれば良いイベントになると思います。子供たちにとっても実際に材料から作る機会はまずないと思うので、貴重な体験になると思います。

子供たちに和紙の作り方を教えて、ものを大事にしていくことや、手紙や絵を書かせて、感謝の気持ちを人に伝えるそんな体験までできるといいのかなと思います。

押し花や色んな繊維、新聞の文字なんか入れてまだまだ腕を磨きたいと思います。
できれば、何かのパッケージとか製品にしたいですね。

追伸:和紙の原料と歴史

紙の原料となるのは主に楮、三椏、雁皮などです。他にも、植物でしたら(繊維のあるものは)基本的になんでも紙になるといいます。 天然の植物から長い行程を経て一枚の紙を作ってみると、いかに紙づくりが大変な作業であるかわかると思います。

私が現在住んでいます宮崎県「須木」や、すぐ隣の熊本県「多良木町」では昭和30年ごろまで、楮(こうぞ・かじ)・三椏の皮を剥ぎ、束にして出荷していたそうです。 どこで漉かれていたのでしょうか?お札の原料となっていたということですが、海外の安い材料の輸入に押され、その伝統も途絶えてしまいました。

宮崎の手漉き和紙

世界文化遺産にも登録されました日本の「手すき和紙」ですが、私の住む宮崎県内では美々津和紙(現代の名工の佐々木寛次郎氏と娘さん)が唯一残っています。

和紙作りには以前から興味がありましたので、2度程「美々津和紙」の工房を見学させてもらいましたが、今でも原料から手作業で作っておられる貴重な名工の一人です。 佐々木氏によると美々津には最盛期には30件近くあったそうです。

耳川の浅瀬の清流と原料の楮・三椏が身近にあった地理的状況が和紙作りに好条件だったのではないかと想像します。

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