最近よく耳にするようになり、諸外国で健康被害が指摘されている「トランス脂肪酸」。

アメリカをはじめ海外ではトランス脂肪酸を含む食品に数量の表示を義務付けたり、厳しいところでは販売禁止の国もあるといいます。

日本ではマーガリン、ショートニングなどトランス脂肪酸が多いとされている食品もあまり問題にもされず、スーパーやコンビニに平然と並んでいます。

農林水産省では

油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか、また、たくさんの種類があるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては、十分な証拠がありません。

というように、「欧米と日本人は摂取量が異なるので、比較にならないし、有害であるという証拠もないので、そう荒立てて心配しないでいい」と言った感じの他人事みたいな見解をしています。

農林水産省はアバウトな数値や見解だけではなく、その危険性について調査・情報公開してもよさそうなものです。

今日は「私たちの健康に大きく関与するトランス脂肪酸」がどんな食品に多く含まれてるのか、健康に及ぼす影響と対応策について考察してみたいと思います。

トランス脂肪酸って何?

そもそもトランス脂肪酸はどうして食品に入っているのでしょうか?

植物性油脂から製造するマーガリンやファットスプレッドには、植物油を高温で精製することや液体油を水素添加して固形化する過程で、トランス脂肪酸という有害な脂肪酸ができてしまいます。

トランス脂肪酸の弊害

トランス脂肪酸は、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やして血栓形成、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など様々な病気を引き起こします。

その他にも、悪性リンパ腫、乳ガンもトランス脂肪酸が原因という研究もあります。

また、アトピーなどのアレルギーやリューマチなどの関節炎が悪化することもわかっています。

人の体に不必要な物質、トランス脂肪酸は言わば万病の元と言っても過言ではありません。

先進国の取り組み

生活習慣病の予防のため、先進国の多くは飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などを含めた脂質の取りすぎについて注意喚起を行っており、バランスのとれた健康的な食生活を推奨しています。

年間3万人が命を落としているというアメリカではすべての加工食品に含まれているトランス脂肪酸の含有量を表示することが2006年から義務づけられました。

その他にもカナダ、デンマーク、ドイツ、オーストリアでも表示が義務づけられており、デンマークでは基準以上のトランス脂肪酸を含むものは、販売ができません。

オランダではもっと厳しく、トランス脂肪酸を含む油脂類は、発売が禁止されているのです。

トランス脂肪酸を多く含む食品

日本ではありとあらゆる食品にトランス脂肪酸が含まれています。その規制も緩く、注意喚起くらいしかしていません。

農水省調べによるとトランス脂肪酸が多く含まれる食品には、例えば以下のようなものがあります

マーガリン、ファットスプレッド(市販品)
マーガリン、ファットスプレッド(業務用)
その他の油脂類 ショートニング
ビスケット類
クッキー
パイ
半生ケーキ
その他の菓子類 コーン系スナック菓子
マヨネーズ
その他の乳製品 クリーム
参考)「新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸」(2012年3月食品安全委員会)
「国内に流通している食品のトランス脂肪酸含有量」(平成18 年度食品安全委員会調査事業)

※ なお、平成22 年度にマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを検査したところ、トランス脂肪酸の含有量は減少傾向が認められました。

トランス脂肪酸を多く含む食品のまとめ

病気のリスクを高める「トランス脂肪酸」特に小さいお子さんにはわざわざ食べさせたくないものですね。

できれば違う食品選びをこころがけたいものです。

テレビでもスポンサーの関係があるのであまり問題視されないようです。

一応は常識としてどんな食品に「トランス脂肪酸」が多く含まれるかは知っておいても良さそうです。

人口的に作られた食品を識別・認識し、できるだけ過剰に摂取することを避けるよう常に意識することが重要です。

体にいいものを選択・摂取できる能力こそが、これから生き抜くために必要な要素だと思います。

どちらかというと、欧米食よりも世界文化遺産の「和食」、日本の伝統的な食品・食材を毎日バランスよく取ることが健康に一番のようです。

世界のトップクラスの女優、セレブリティはこの価値にいち早く気づき、実践しています。

日本食の価値の逆輸入って感じですが、世界に誇る和食文化を次の世代にも伝えていきたいですね。